おじ記

〜おじさんの秘密の日記〜

話題のPlayStation VRとOculus RiftとHTC viveを全部体験してきたので比較しながら感想書く

今年・2016年はVR元年と呼ばれていますね。

www.youtube.com

各社がこぞってゲーム用のVRデバイスを開発し、リリースし始めています。 あのSonyPlayStation対応のVRデバイス、PlayStation VRを10月13日に発売すると決定してからは、 メディアでもより一層VRという言葉を見かけるようになった気がします。 ゲーマー達の注目度も非常に高く、6/16の第1回予約開始では、予約取扱分が一瞬で売り切れるという事態まで起きました。

実は今までもこのようなHMD(Head Mount Display)は出ていたようですが、 従来の製品は視野角も狭く、「目の前に小さな画面があるな〜」って感じる程度だったらしいです。 一方、これからのVRデバイスは広視野角と高精度のヘッドトラッキング「実際自分がその世界に入ってる!」と感じられるほどの没入感が出ています。

没入感最高なVRのゲームを遊んでみたい!! と昔から思っていた僕としては、ついに夢が現実になる段階に来ていて、ワクワクを抑え切れません。 昨日7/23はPSVRの予約再開ということもあり、全額前払いまでしてPSVRの予約をしてきました。 来月どうやって生きよう。

ただ問題なのが……VRデバイス、すごさを体験するためには自分自身が被るしか方法はありません!! "Playstation VR"Youtube検索したところで、PSVRを着けてキャーキャー言ってる人間か、うねうねしたVRデバイス用の映像しか出てこない…。

playstation vr - YouTube

ここでPSVR陣営、予約再開に伴い、この土日に全国的に体験スペースを用意してくれました。 また、既に発売済みのOculus、viveについても、秋葉原に体験できるスペースが存在するとのこと。電気街最高すぎる。

ということで、今日1日で世界三大VRデバイスを一気に体験してきたので感想諸々を書いていきます。

結論から

  • ぶっちゃけ全部良い
  • 個人的にはコスパとコンテンツの将来性からPSVRに最も期待
  • Oculusもviveも高価なだけあってかなりリッチな体験
  • スペック的にはPSVRはどうしても見劣りする
  • viveが一番リッチな体験に感じたが、本体価格も設置コストも一番高い
  • モーションコントローラーまで使うとものすごく入り込んでる感が出る
  • 金が貯まったらOculusかviveのどっちかも買いたい

選手紹介

  1. PlayStation VR
    Sonyが作ったPlayStation4用のVRデバイス。一般の知名度は一番高いかもしれませんね。 他のVRデバイスと比較して、安価であることとコンテンツの質の高さが彼の武器となるでしょう。 販売価格はPlayStation Camera同梱版で49,980円+税、2016年10月13日発売予定です。

    www.jp.playstation.com

  2. Oculus Rift
    2012年、Kickstarterから開発が始まった、ゲーム用VRデバイスの火付け役。Kickstarter時代は支援者に何度かプロトタイプであるDeveloper Kitを配っており、僕も学生時代に助教のDK2を触ってみたことがあります。その後、Facebookに買収されましたね。既に発売中、日本向けは94,600円。

    Oculus

  3. HTC vive
    スマホで有名な台湾の企業HTCと、あの名作ゲームPortalシリーズなどで有名なvalve社がタッグを組んで作っているVRデバイス。 こちらも既に発売中で、99,815円。

    Vive | ホーム

  4. Google Cardboard
    エキシビジョン選手。 Googleが開発したご使用のスマホでお手軽にVRが楽しめるという彼。 Cardboardという名の通り、段ボール製です。 100均で売ってるようなレンズとその辺の段ボールがあれば、自分で工作できてしまうというお手軽さがウリです。 ハコスコ社等がAmazonでも組み立てキットが販売しており、1000円ぐらいで完成品が購入可能です。

    Google Cardboard I/O 2015 ハコスコ社製

    Google Cardboard I/O 2015 ハコスコ社製

なお、基本スペックの比較は他で散々やられてるので割愛します。 ざっくり言うとOculus≒vive>PSVRって感じです。

HTC vive体験

トップバッターはHTC viveくんです。 (viveの体験をしてる時ちょうどスマホの電源が切れていまして、写真がないです…ごめんなさい。)

秋葉原にあるPCパーツショップTSUKUMO eXの地下1階、マウスやキーボード売り場の隅にひっそりとviveの体験コーナーがありました。 チラホラ体験しに来る人はいるようですが、混雑している様子はなく、ちょうど前に体験されていた方が終わったところだったので待たずに体験することができました。 混んでる場合は予約して何十分後にまた来て、という感じらしいですね。

viveは唯一、立ったまま体験できるスポットでした。 また、モーションコントローラーも使えました! (先が輪っかみたいになってるヤツです)

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あと、体験中は店員さんが横に立って色々と説明してくれます。 さすがはTSUKUMOの店員さんって感じで、ちゃんと技術的なところとかも解説してくれます。

さて、体験したコンテンツはvive公式で付属するミニゲーム集です。 公式サイトの動画にもあるヤツですね。 このうち、動画における22秒目ぐらいの的当てゲームと、44秒目ぐらいのシューティングゲームを体験しました。

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まず視界ですが、なるほど解像度が高い。 高いと言っても普段見てるテレビほどの解像度ではなく、目を凝らせばドットがわかるな、といった程度ですが。 (視野角が高い分、体感的に解像度が低く感じられるのだと思います) 頭をぶんぶん回してもちゃんとトラッキングするし、身体を動かすとゲーム内の自分も動きます。

そして、何よりモーションコントローラーもしっかりトラッキングされていてすごい! 自分の視界に自分が持っているコントローラーが表示され、それが寸分の狂いもないものですから、まるで自分が透明人間になってコントローラーを持ち上げていると錯覚してしまうほどです(プレイヤーの身体は描画されない仕様でした)。

前述の通り2種類ゲームを遊びましたが、的当てゲームが素晴らしい!! お城の上で、迫り来る敵を弓矢で射抜いていくというゲームですが、 左手で弓を構え、右手のコントローラのトリガーを押しながら矢を引く動きをすると、それに合わせてキリキリキリ…とコントローラーが振動するのです。 そしてトリガーを離すと、敵に飛んでいき倒す…。

「弓で矢を射る」というこの一連の動作に、少しの違和感もありません。 以前地元のプレイスポットでアーチェリーをやって遊んだことがあるのですが、あの感覚にすごく近かったんです。 もちろん実際には弦を引いたりしないので力も要らないのでエコですねw

あとは、プレイヤーはお城の少し高いところにあるテラスに立っているので、少し前に進んで下を覗き込んでみると本当に地面までの高さを感じられます。 落ちそうでマジで怖かったです。本当ですよ!

もう一種類のゲームはコントローラー自体を自機に見立てたシューティングゲーム。 閉鎖空間の中で飛んでくる弾を避けていくのですが、すごくサイバー感があってたまりません。 SFの世界にそのまんま入った感じでしたね。

さて、体験後に少しだけ店員さんとお話。 viveはポジショニングのためのカメラを2機設置する必要があるらしく、左右後方の天井についていました。 公式曰くは2メートルの高さが推奨とのことで、天井に付ける必要があり大掛かりな印象です。 ここは「外国のスケールなんですよね…」と店員さんも苦笑していましたww また、三脚などを購入してそれにつけてもいいとのことでしたが、邪魔になるし一台1万近くもするしでちょっと設置コストは高そうだな…と思いました。 お部屋に高い棚などがあれば、そこに置くなどの工夫はできるらしいです。

またハードですが、主に必要となるのはグラフィックカードとのことで、GTX970以上のモノが必要となるようです。 CPUはi5、RAMは4GB程度あれば良いとのことですので、デスクトップPCを持ってる人ならグラフィックカードの取り替え程度で行けそうですね。 まあ、それだけで3、4万はするとは思いますが…。

なお、体験時間は15分でした。

Oculus rift体験

TSUKUMO eXの向かい側、ゲーミングPC専門店のG-TuneさんにOculus rift体験コーナーはありました。 2時ぐらいに行くと整理券をもらい、その1時間後の3時に体験することができました。

コンテンツとしては椅子に座って映像を見るというもの。 インタラクティブなコンテンツがなくて少し残念でしたが、迫力は本物でしたね。

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一つ目は目の前に恐竜が現れるという短編のコンテンツ。すごく短かったですが、巨大な恐竜が目の前で牙を剥かれているのがすごくリアルです。

二つ目は、タイトルは忘れてしまったのですが…何かのFPSのムービーだったと思います。目の前に飛んでくる弾丸、炎、そして巨大な敵……何もかもが恐ろしいぐらいの臨場感です。横を兵士が走っていくのですが、これがもう自分の背丈と同じなものだから本当に人がいるような感覚です。最後は巨大な敵が吠えながら目の前に迫ってきて、本気でビクッとしてしまいました。

三つ目は、VR用のアニメーション「ハリネズミのヘンリー」です。自分の針が周りの人に刺さってしまうせいで友達がいないハリネズミのヘンリーが、一人で誕生日を祝っているとある事件が起きる…というホロリとしつつも可愛いアニメです。まさに3Dアニメ映画をVRに持ってきた! という感じで、映画スクリーンで見るアニメよりも段違いに臨場感があって面白かったです。

Oculus Story Studio、VRアニメのキャラクター「ハリネズミのヘンリー」を公開 | Mogura VR - 国内外のVR最新情報

こちらも高いだけあって高解像度で、しっかり見えます。 首を振っても遅延などもまったくないように思います。

あと、地味に評価ポイント高く感じるのは一体型ヘッドホンの性能の良さ! 他の2つのVRデバイスは音響は別にヘッドフォンを用意して装着したのですが、Oculusは一体型になっています。 正直「一体型なんてショボい音じゃねーの〜」なんて思ってたのですが、低音はガッツリ響くし何も問題ないですね!

不満点はというと、鼻の位置に少し空間があって下から光が漏れてきてしまっているのが少し気になりました。 もしかすると装着の仕方が悪かったりしたのでしょうか…?

また、今回体験できたコンテンツはおそらく全てプリレンダリングなコンテンツだったように思います。 欲をいえばリアルタイムレンダでプレイヤーがインタラクティブに遊べるようなコンテンツも遊んでみたいな…と思いました。

総体験時間は20分弱ぐらいでしたでしょうか。

PSVR体験

さてさて、最後にソフマップ本館7FでのPSVR体験会です。 1時過ぎに整理券を受け取り、3時間後の4時に体験となりました。 やはり限定イベントだし発売前で注目度も高いしで、大人気でしたね。

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体験できるコンテンツは4種類。このうち1種類を選んでくれということでした。

  • deep
  • サマーレッスン
  • KITCHEN
  • THE PLAYROOM VR

ぶっちゃけ全部やりたかったのですが仕方ないので、少し悩んでサマーレッスンを選択。 サマーレッスンは、プレイヤーが家庭教師になり、女子高生にお勉強を教えるというシミュレーションゲーム。 鉄拳シリーズで有名なバンナムの原田PがPSVRのデモ用に制作し、TGSでは試遊が殺到して長蛇の列ができ、 デモ用に作ったつもりがあまりに人気すぎて製品化が決定したという伝説のゲームです。

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ちなみにサマーレッスンが一番人気で体験までの待ち時間が長かったです。 やっぱり男はJK大好きなんやな!!!!

さてPSVRの装着ですが、説明が難しいのですが、ボタンを押しながらスコープの部分をスライドさせると顔にぴったりと密着します。 これで外の光が漏れず、しっかりと没入感を味わうことができます。こういう配慮がされてる構造って嬉しいですね。

また、PSVRを上下に動かすことでピント調節ができるようです。ちょっとここは謎の仕様。

ゲームが始まった瞬間感じたことは「ウーン、正直前の2つのVRデバイスに比べて画素が荒い……」 輪郭がシャープではなく少しボヤけて見えますし、少しジャギー(エイリアス?)も見えます。 ここはどうしても基本スペックの違いですね。

その上で個人的な感想ですが、「まあ問題にならんやろ」って感じです。 絵自体も十分綺麗でした。 また、トラッキング精度も非常に良く、気持ち悪さを感じることもありません。

さて、肝心の内容ですが、等身大のJKがそこにいて「やばい……人類が子孫残さなくなるんじゃないか……?」と危惧するレベルでした。

途中で女の子が「え〜と……先生、この単語の読み方これで合ってる???」とノートを差し出してくるのですが、 これに実際頭を近づけて覗き込んで読むことができます。 「ノートを覗き込んで読む」ということがバーチャル空間でこれだけ自然にできることに本当に感動しました。 ノートを読んで何が楽しいんだ? と思うかもしれませんが、体験してみればわかります。

話が進むにつれ、ちょっとずつ女の子の距離が近くなっていきます。 腕を僕の首の後ろに回して「ゴミついてたよ!」ってとってくれたり。 「ちょっと横向いて」って言われて横を見ると耳元で(バイノーラル音声合成で)「夏になったら……どこかに連れてって?」と囁きかけてきたり……で、びっくりして正面見ると顔がめちゃ近かったり。

2年前ぐらいにマフィア梶田さんが凄まじきはその"存在感"と評していましたが、まさにその通りです。 途中から「やばい……人類が子孫残さなくなる……」と確信するまでに至りました。

最後は唐突に天井から紐が降りてきて、女の子が「先生、またね!」と言ってそれを引いた瞬間に床が抜けて落ちていくというサプライズ付き。 落ちていきながらスタッフロールなのですが、下を見れば遥か遠くの床に向かって落ちているという臨場感が感じられてすごい。 床に到着したあたりでゲーム終了、店員さんに肩を叩かれてPSVRを外しました。 体験時間は10分程度でしたかね。

その後、少しだけ店員さんとお話しました。 試遊台はハードが隠されていたのでデモ用PCなのかと質問したところ、PS4実機であるとの答えをいただきました。 実機であれだけ綺麗にレンダリングされるなら何も心配がありませんね。

ただ、PSVR向けにチューンされたPS4KだとかPS4.5だとかPS4 Neoだとかのウワサが立っているのがちょっとだけ気になりますね。 Sonyは公式に開発はしていると明言しましたが、PSVRの発売に合わせてくるのでしょうか…?

まとめ

やっぱりPSVRが楽しみですね〜〜。 今の段階で色々なゲームが開発予定です。 色々やりたいゲームはありますが、バイオハザード7がすごく怖そうで期待したいです。

ただ個人開発的な視点でいうとやっぱり開発できないPSVRは物足りなく感じてしまうかもしれません。 UnityではOculus等のVRデバイス用のSDKがあるようですが、SONY製品でやるのは厳しいでしょう。 将来的にPC対応も検討中、との声明もありますが、これもいつになるのか…。 となると、自分で作りたいとなったら、viveやOculusなども視野に入ってきますね。 ウーン、奥が深い。

おまけ Google Cardboard

以前Google Cardboardを工作してiPhone5Sで遊んでみたことがあるのでこれもついでに触れておきます。 専用VRデバイスと比べると圧倒的に物足りないのは仕方ありませんが、それでも結構エントリー向けにはいいような気がします。

思ったよりは視野角も広く作れ、VRに初めて触る人なら満足できるように思います。 僕も10月まではこれをいじりながら遊びたいです。